渡部が打席に入れば、見る者はまばたきすらできない。ほかの打者とはバットを振り始めるタイミングが違う。渡部はボールを極限まで呼び込み、一瞬でとらえる。本人によると、「腰のベルトの前(外角球の場合は右足の前)で打つくらいの感覚」だという。

広陵高時代の恩師である中井哲之監督は、渡部についてこんなことを語っていた。

「渡部が高校時代にロングティーをすると、ボールがグラウンドの外に出てしまうので『流してライトに打て』と言ったんです。でも、ライトには旧室内練習場の建物が建っていて、そこの屋根に当てて雨漏りしてしまうから、『右中間に打て』と言ったほどです。中村奨成(現・広島)の高校時代も旧室内練習場の屋根に当てていましたが、渡部の飛距離はそれ以上でしたね」
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