達は悪夢と戦っていた。2回無死一、二塁のピンチを背負ったときだ。「ここ2試合が走馬灯のようによみがえってきて、打たれる気しかしなかった」。いつもの強気な発言も実は「繊細な心を、おっきい言葉でカバーしてるみたいな感じ」。集中打を浴びて失点した直近2試合が頭をよぎり、心はKO寸前だった。

 勝負どころは気合と女房役のおかげで踏ん張れた。「マジで死ぬ気で投げたっす」。まずは送りバントを阻止する好フィールディングで自分を助け、後続はこの日の投球の軸となった直球とフォークで打ち取った。「寅威さんさまさまです」。7月31日ソフトバンク以来のコンビとなった伏見に感謝した。

 今季7勝は全て「たつとら」バッテリー。達にとって「寅威さんのシナリオ通りにある程度投げてれば、ほとんどうまくいきますね」と不思議と好投に導かれる感覚があるという。